オニフスベ

2011年09月07日

氷上回廊〜近畿の生物多様性のキースポット〜

三輪小学校周辺の調査
丹波市市島町三輪小学校周辺の生物調査に参加した。講師は森の都研究所代表の宮川さん。

オニフスベ
最初に観察したのはオニフスベ。子どもの顔ぐらいの大きなキノコ。腐ったバレーボールのようにも見える。たたくとボスボスと鈍い音がした。食用できるようだ。

次に、リンボクを紹介してもらった。丹波市内のリンボクの自生地は「氷上回廊」を語るのに興味深いものになるという。
リンボク

リンボクは、別名が二つある。第一は、ビイラギカシ。これは若木の棘状になった鋸歯がある葉をヒイラギに見立て、樹姿をカシに見ててよんだもの。第二は、カタザクラ。サクラの仲間で材がかたいため、カタザクラ(堅桜)という。(注1)

リンボクはバラ科の照葉樹で、どちらかというと太平洋側の暖かい地域に多い樹木である。リンボクの丹波市での分布は、細見末雄先生が「兵庫県下での北限になろう」(1977)と述べられている。実際にリンボクの自生地は、青垣町の佐治川源流あたり、市島町の竹田川流域が北限のようだ。(注2)

リンボクは、南から加古川をさかのぼるように播州路から連続し、丹波市に至っては、一つは北に佐治川をさかのぼって、もう一つは、中央分水界の水分れを横断して、竹田川流域を下ったと書かれている。その中で、リンボクは、佐治川流域を北上し、青垣でとどまり但馬へ越えていない。

つまり、リンボクの分布を調査することで、青垣あたりで取り残された要因がわかるかもしれない。

(注1)濱野周泰『原寸図鑑 葉っぱでおぼえる樹木』柏書房,2005年,p.163
(注2)開田齊『雑学丹波 氷上回廊』青垣町,1997年,pp.176-177


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2009年09月05日

大きなきのこ オニフスベ 4

3a2ebfea.jpg 今日は朝から草刈りをした。田や山の草刈りは,家族に期待されている私の仕事の一つである。
 草刈りをしているおかげで動植物に詳しくなる。今,刈っていてとてもかわいい花はゲンノショウゴ。これは濃い赤紫色で存在感がある。あと,キツネノマゴもたくさん咲いている。草刈りをしていて,名前の知らない植物が出てくると手を止めて図鑑で調べたくなる。
 一方,かわいそうなのが動物たち。回転しているチップに飛び込んでくるので,どうしてもカットしてしまう。トノサマガエルが比較的大型なので,飛び散った白いお腹は草むらでよく目立つ。カマキリやバッタも多い。マムシの子どももいた。
 今日,一番びっくりしたのは大きなきのこ。直径は25cmくらいある。昨年,かやじいの日記にも大きなきのこがでていたので,気になっていた。すぐに家に持ち帰り,図鑑で調べた。きのこは見た目よりずいぶん軽く,指でつつくと胞子が飛び出した。もう老菌で,色も褐色になっていた。もう少し前は白かったのだろう。名前はオニフスベだった。
オニフスベ Lanopila nipponica
夏〜秋。食用。芝生や庭園,竹やぶ,畑地などに点々と発生。極めて大型。径20〜50cmでほぼ球形。最初は白色,成熟後は外皮が剥離・脱落し茶色。また,ついには内皮も破れ,胞子を飛散させる。胞子塊は綿屑状。無柄なので,胞子をすべて飛ばしたあとには何も残らない。外国産のセイヨウオニフスベと異なり,胞子には刺が明瞭。

本郷次雄 (2006) 新装版山渓フィールドブックス7 きのこ.山と渓谷社,東京,p.276


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